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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2274号/06.06.26

遺伝子組み換え
 作物はいらない!
広がるGMOフリーゾーン

天笠 啓祐 著  家の光協会(定価1600円)

書籍画像 経済、情報、軍事に並んで農業=食料の一局集中もすさまじいいきおいですすんでいる。日本の食料自給率はカロリーベースで40%といわれ、半分以上が輸入にたよっているのが現状。
 こうした事態を招いているのが米国による食料戦略。世界の大豆の栽培面積の60%が遺伝子組み換え作物で、種子を販売しているのはモンサント社。つぎの狙いは稲と小麦といわれており、主要穀物を独占すれば世界の食料の支配権を確立できると天笠はいう。
 本書のテーマはここから先のことで、ヨーロッパを中心として、遺伝子組み換え食物拒否地域を広げる運動について、各地での交流や意見交換を積み重ね、生産者や消費者の連動を紹介、こうしたとりくみこそが「環境を守り、食の安全を守り、地域の農業を活性化させる」と指摘する。
 第8章では日本の運動や新しい動きを報告し、生産者と農家が連携して危険な遺伝子組み換え作物・食品を拒否し、食料による世界支配を阻止するとりくみへの参加の道を示している。 (E)

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