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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2278号/06.07.24

〈子別れ〉としての子育て
離れつつ守る

根ヶ山 光一 著  日本放送出版協会(定価920円)

書籍画像 「子どもがかわいく思えないのは、親として欠けているのではないか」。子育てに悩む母親の多くが、一度は思うことだろう。だれかに相談しても、「ストレスのせい」といわれる。育児雑誌をみても、「上手に気分転換を」というばかりだ。迷っていても子どもの成長は止まらず、自分への疑問にフタをしてでも向きあわなければならない。
 「かわいく思えない」のは健全な感情だというのが本書。そればかりか、「子どもへの反発性は子どもをたくましくすることもあれば、それが母親自らを子育ての役割から解放する契機となることもある」と主張し、サルをはじめとするは乳類の生態にそって説明する。
 本書はハウツー式、井戸端会議的な子育て論になれたママたちには、少し遠回りで難解かもしれない。「いずれ親子関係の深奥に到達できるように、そのあり方を根本から問い直すことが重要」と著者。自己犠牲的な子育て論からの転換は、親自身をいろいろな呪縛から解き放つ。「いい母親」の幻想から逃れたい人におすすめだ。   (亀)

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