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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2287号/06.09.25

監視カメラは何を見ているのか

大谷 昭宏 著  角川書店(定価686円)

書籍画像 コンビニや駅で、カメラに違和感を感じなくなったのはいつ頃だろうか。随所に設置されたカメラは防犯とは名ばかりだ。犯人特定に一役買っても、犯罪を未然に防いではいない。なんのためのカメラだろう。
 あわせて、まるでゾンビのように消えてはよみがえる法案がある。「共謀罪」だ。世論では、「悪いヤツはつかまればいい」「自分は悪いことをしないから他人事」という立場をとる人びとが多くいる。これは「入管難民法」の指紋登録を許した世論でもある。
 たしかに犯罪が未然に防げれば平和だろう。指をピッとかざして出入国が20秒で終われば便利だろう。だがその「平和」と「便利」はホンモノなのか、そのまやかしを検証しているのが本書だ。
 安全、便利のさきに、安全とは対極のはずの戦争がある、と著者。少しずつ強化されていく国民監視社会が、「黙って戦争に行く国民」を創り出すと指摘する。「便利なものに流されず、カメラに慣らされない生き方」に、いまならまだ戻れるはずだ。   (亀)

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