17日間つづいたトリノ五輪が終わった。ニュースのトップは連日こればかり。いやというほど、同じ場面が繰り返される。しかも日本の選手だけが特別扱いの映像
▼もっとも、大量の取材陣を送ったメディアにとって、放送を控えることはできない。元が取れないからだ
▼7競技84種目を80か国・地域の2573選手が覇を競った。日本国が、自信をもって送り出した種目の選手が力を発揮できず、メダルに手が届かない焦りがニュースにも反映された
▼終了間際に金メダルを取ったのが、フィギュアスケートの荒川静香選手。ある商業新聞などは「ようやく表彰式で、日の丸が掲げられた。しかも君が代とともに」との書き出しの記事を載せている
▼ここにこの商業紙の本音をみることができる。荒川選手がメダルを取ったのは、さまざまな人の協力があったからだが、基本的には個人の技量なのだ。そこに国家がリンクする必要など、なにもないのだ
▼日共の機関紙「しんぶん赤旗」は、なぜ日本勢が不振なのかの記事を組み、現状認識の甘さ、遅れる世代交代、貧困な練習環境などの項目で「解説」。国のスポーツ予算が大きく落ち込んでいるなどと書き連ねている。ナショナリズムの高揚に手を貸すこの政党の姿勢は明白だ
▼「スポーツは、強い者が勝つとは限らない。勝ったものが強いのだ」とはA紙の社説。当たり前のことだけど、みょう説得力力があった。
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