TBS系日曜劇場のドラマ、「輪舞曲（ロンド）」が最終回をむかえる。ご存知ない読者のために宣伝文句をあげると「日韓の２大スターが壮大なスケールの作品に挑む。運命と愛の歴史の輪舞が、今、幕を開ける」となる
▼ストーリーはこうだ。竹野内豊演じる西嶋ショウは巨大秘密組織に潜入している捜査官。同時に、警察官であった自分の父が殺された事件の真相も暴こうとしている。チエ・ユナを演じるチエ・ジウは行方不明の父親を捜すために来日した韓国人。二人は東京で出会い、恋に落ちていく
▼物語のなかで、西嶋が実は在日朝鮮人であり、チエ・ユナが日本人であることが明らかになっていく。チエの父親＝養父は巨大秘密組織の大幹部で、韓国でチエの両親、西嶋の父親を殺害したのは彼だった。彼はチエと妹を引き取り、韓国人として育て、犯罪に利用する
▼ドラマのなかで、こうした関係がじょじょに明らかになってくる様がおもしろい。チエの養父は、朝鮮半島を侵略し、残虐なさまざまな行為を繰り返しながら反省もなく、のうのうとする日本が許せないと日本経済の破壊を目的に新たな犯罪を繰り返そうとする
▼ドラマの根底に見えるものは、日本の戦争・戦後責任の問題。西嶋とチェがそれを見据えながら、どう新たな関係を作ろうとするのか
▼エンタメ路線だが、たんなる韓流ドラマから一歩踏み出そうという雰囲気が伝わってくる。