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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2266号/06.04.24
 「寝ずの番」という映画をみた。上方落語界の重鎮が臨終を迎えるところから物語は始まる。師匠の死んだあと、弟子たちや連れ合いが通夜=寝ずの番をしながら、思い出話に花を咲かせる
▼その話のおもしろいこと。あまりの脱線模様に弟子の1人は、「こんなことを死んでからゆわれるんやったら、俺は死んでも死に切れん」ともらす。しかも今度は一番弟子の兄さんが死ぬ。こちらはど派手な葬儀が出るが、通夜の模様は師匠の時と一緒。おもしろおかしく、みんなが思い出話にひたる
▼最後は、師匠の連れあいが亡くなる。通夜には昔、師匠とはりあった元社長が登場。とうとう歌会、といっても別のものだが、開始。最後は、輪になって踊り出す
▼大阪が舞台なのに、関東の臭いがするのが玉に疵なのに、やっぱりおもしろい、この映画。なるほど、原作は中島らも。うーん、納得した
▼死があっかわれるのに、ケガレという意識がない。そこもいい。これも、最近の教育のたまものだろうか
▼自民、公明両党が「教育基本法」改悪の方向を決めた。前文から「平和の希求」という表現が削られた。そして、愛国心を強要し、子どもたち一人ひとりの内心へ「のかん養」というかたちで国家意志の注入がはかられる。鉄は熱いうちに打て、とばかりに
▼市場原理主義のなかで教育を解体し、しかも今度は国家意志の注入だ。どんな教育にも愛国心の強要はいらない。

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