某政党の内部を描いた新書が出たので読んでみた。革命をめざすというこの政党、しかし自覚的党員の数の少なさと高齢化に驚いた。前衛ではなく、大衆団体のなかに党があるという感じ
▼戦前からそうだが、大衆運動の団体に寄り添いながら、上から党の方針をおろし、現場にむりやり押しつける。そして、指導―被指導の関係を固定化する。これと同じ構造が、党内にもある
▼連動方針や中央委員会(この組織では、日常的には一番権威ある機関)での決定を読んでいるものが20~30%。選挙連動も含めて運動に参加するものも、同様の数。一体どうなっているのだ、決意して党員になったのではないか、と思わずいいたくなる
▼中央委員会の場で討議のまとめをする委員長を古参の党員が、そのまとめ方は違う、とたしなめる。なるほど、委員長の権威がなくなるのもわかる。こそくな権力闘争ではある
▼一番問題なのは党の硬直した現実。選挙闘争が主な党だが、最近は負けっ放し。その総括がいつもパターン化しているとは、この新書の筆者の指摘。なるほど、と思った
▼つまり、党中央の指導や方針は間違ってなかったが、不利な客観情勢や党員がフルに動かなかったからだめだった、という総括だというのだ
▼某政党、こんな大変な時期に、いつまでも独善主義が通じないことを知るべし。憲法9条を守る連動の党派利用もやめることが、体質改善への近道だ。
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