N紙の文化欄にノンフィクション作家の吉岡忍がエッセイ「鞄を求めて」を書いている。この中身、同志をみつけたりとばかり、うなずけること、うなずけること。悩める人の心、気持ちは同じと感じいった
▼子どものときランドセルの画一化に「人それぞれ持ち物はちがうのだから、鞄だって形がちがうべきだ」といったら親から怒られた話がおもしろい
▼ノンフィクション作家として活動しだしてカメラを振りやすくするためにグリップを独自でつけたり、鉛筆やボールペンの指のあたる部分にゴム管を短く切ってはめ込んで使っていた。これらは数年後商品化された。意匠登録していれば、とは吉岡のくりごと
▼問題は取材用の鞄。「バランスが悪い。デザインがいまいち。無駄なポケットが多すぎる……。どれもこれも気に入らず」という状態がつづいていたという。吉岡のいきついた先は空のランドセルのような鞄。内部の仕切りやポケットは自分でつくる、という自作のもの
▼なるほどとうなずける。(私も気にいった鞄に、いまだにめぐりあえない。一長一短なのだ)。だからシチュエーション別に鞄をわけている。必要なものを大中小の袋に小分けにしている。時どきに必要、不必要なものを袋ごとに選んで入れる
▼私の場合は最終的には風呂敷にいきつきそうだ。何でも包みこめるというのがいい。しかし自分の発言や行為は風呂敷を広げすぎないようにしたい。
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