人を殴ったり蹴ったりするのは、プロレスや相撲といった格闘技。連日に渡っておこなう格闘技には、相手の体を本当の戦闘不能にまでいたらせてはならない、という暗黙のルールがある
▼プロレスなどでは、場外乱闘というのがある。つい熱くなって、リング上だけでなく、場外でまで殴り、蹴り合うというものだ。ときには、イスや机までが武器にされる。しかし、これもまずは記者席の机を利用して暴れまくる、という暗黙のルールがある
▼記者なら対応が早いし、多少けがをしてもお客にさせるよりいい、ということもある。でも、直接記者に暴力をふるうことはない
▼大相撲名古屋場所７日目の露鵬対千代大海の取り組み後、土俵下でにらみ合った二人は、いい争いに。その後、館内の風呂に入りガラスを割った露鵬、事情を聞かれ部屋から出たとたんのフラッシュに怒り、記者を殴った。これは明らかにルール違反。もちろん、当人はすぐに謝罪した
▼サッカーW杯決勝で優勝候補といわれてきたフランスのジダン選手が、相手国イタリアの選手に頭突きをかました。なぜ、こんな時にと世間は驚いた
▼ジダン選手はアルジェリア系移民の２世。識者は「母や姉を傷つける言葉」は、試合中はいつもでるという。ジダンが切れた悪罵の中身は、現時点では不明
▼もちろん、暴力はルール違反だが、悪罵の中身が差別にかかわることなら、痛み、気持ちはよくわかる。