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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2279号/06.07.31
 東京へ出張に行く新幹線でかいま見たのがN紙だった。一面トップに躍る文字、「A級戦犯 靖国合祀 昭和天皇が不快感 参拝中止「それが私の心だ」」
▼私の手にあるA紙には、そんなことどこにもない。一体これはどうなっているのか。ひょっとすると、靖国参拝の現総理のあとを継ぐ予定の、現在総裁選挙戦でトップになるといわれている人物への経済専門紙による牽制か。さまざまな思いが頭をよぎった
▼はたして、夕刊で各紙が後を追った。N紙のスクープだったのだ。おまけは、N紙への火炎瓶攻撃、といっても不発。だが、言論へのこの種の暴力は許せない
▼この記事、昭和天皇が亡くなる1年前に当時の宮内庁長官に、靖国神社へのA級戦犯の合祀に強い不快感を示し、「だから私はあれ以来参拝していない。それが私の心だ」と語った、というものだ。研究者は、これまでの憶測が立証されたと語っている
▼後追いした各紙は、さっそく自民党や野党関係者に意見を聞いている。さすがは昭和天皇だやはり戦没者施設が必要というものあれば、天皇の意志は意志で私は別というものあれば、あれは天皇の政治利用だ、というものあり、とさまざま
▼昭和天皇は自分の責任は棚に上げてよくいうよ、とはちまたの声。天皇の声を無視して靖国参拝するなど、一昔前は大騒ぎになったものだが、その点だけは、「民主化」したといえるのかもしれない、昨今は。

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