デジタルカメラの進化はすごい。いまやフィルムカメラの位置を完全に脅かすことになった。事実、フィルムカメラから撤退するメーカーが出てきた
▼しかし、逆にデジタルカメラ部門から撤退するところもある。開発の費用と技術が追いつかないためだ。先端技術を使う部門の悲喜こもごもが、ここにもあらわれている
▼デジタルカメラは、その手軽さで支持されている。実際に液晶画面の画像を見ながら写真が撮れる。しかし、液晶に映っているものと、実際に撮れたものは全然別なのだが、そこまでこだわったカメラは少ない
▼最近すすんできたのが、一眼レフのデジカメ。一眼レフというのは、レンズ部分をさまざまなものと交換でき、広角や望遠といった、自分の好みの焦点距離で自由に写真を撮ることができる
▼某デジタルカメラメーカーは、一眼レフカメラを作るノウハウがなく、レンズを固定したままの製品のハイエンド機を発売していた。このときのうたい文句は、レンズ交換をするとほこりが入り、画像に影響を与えるがレンズ固定式なので安心、というもの
▼ところが、デジタル部門から撤退したメーカーの一眼レフを自社ブランドで売り出したとたん、豊富なレンズ群があるこの一眼レフを、と宣伝しだした。以前のほこりの問題には口をつぐんだまま
▼これは、完全にダブルスタンダードだ。政治や運動にはあってほならないものだ。