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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2304号/07.01.29

「街的」ということ
お好み焼き屋は街の学校だ

江 弘毅 著  講談社現代新書(定価720円)

書籍画像 ムラの料理を取材する機会がある。同じホルモンの料理でも、作り方や味付けもムラによって全然違う。しかも、それがなぜそうなったのか、わからないことが多い。作った人の話を聞きながら、いつも新しいことを知る。当たり前のことだが、そこが興味深いところであり、それぞれのムラの文化だと思っている。
 本書は、京阪神を対象とする街の月刊誌『ミーツ・リージョナル』(京阪神エルマガジン社発行)前編集長だった著者が、自身の生活規範である「街的」という概念について考察している。「街」には「代替不可能な性格や気風がある」とし、その違いを日常の文化尺度で経験することが「街で生きる」こと。逆に、「街や店をただの「消費の場」としての視点からしか捉えられない人」は、街で上手に遊べない「いなかもの」だとのべる。
 振り返って、それぞれのムラがもつ、独特の「におい」を感じるときも、料理の背景にある「人のあったかさ」や「地域性」だったりするのである。       (謙)

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