食糧テロリズム
多国籍企業はいかにして
第三世界を飢えさせているか
ヴァンダナ・シヴァ 著 明石書店(定価2500円)

グローバル化した経済は、格差の拡大と固定化を生み、第三世界の農業の単一種大面積栽培と工業化、種子の一握りの企業による独占にまで及び、多様性と継続可能な農の破壊をもたらしている。
インドを中心に、破壊される農と生活の現状を具体的に示し、農業の「緑の革命」、漁業の「青の革命」、牧畜の「白い革命」が、人びとを飢えさせているかを明らかにする。
本書は、先進諸国の消費者も農民も、ともに被害者であり、第三世界との市民的連帯で、「食料民主主義」を世界レベルで確立する必要があることを訴える。
国際的な連帯がすでに具体化しつつあることは毎年ひらかれるWTO(世界貿易機関)が数万人の抗議行動に包囲されることをみても明らかである。筆者はまた、ヒト以外の動植物を「財産」ではなく、同類としてみる方がさまざまな文化のなかでは多数派であり、大きな生物の民主主義は「生命科学産業」への抵抗の真の力だという。
天笠啓祐著の『世界食料戦争』(緑風出版)とあわせて読んでほしい。(E)

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