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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2315号/07.04.16

反戦軍事学

林 信吾 著  朝日新書(定価720円)

書籍画像 軍備拡大と日米同盟の強化だけを、なし崩し的にすすめる安倍政権の憲法論議など、「愚かしい国へ」向かう道でしかない、と著者はいう。「集団的自衛権」を認めてしまえば、戦争屋・米国が勝手に定義する「テロとの戦い」に駆り出されるだけ、と。
 しかし、防衛庁を「省」に昇格させ、改憲論者やマスコミを総動員してナショナリズムを煽動し、中国や北朝鮮を敵視し、「戦争する国づくり、人づくり」へと奔走する日本。もはや気持ちだけの反戦・平和では抵抗できない時代である。
 著者は、「戦争に反対する者こそ、まず軍事を知ることだ」という。なぜ反戦なのか、歴史と恒常化する海外派兵の実態まで描く軍事知識と、靖国、戦犯、東京裁判、改憲、徴兵などの関連問題や核武装抑止論を、皮肉を交えて分かり易く解く「軍事基礎教養講座」。
 とくに若い人たちに必読だ。やれ自衛軍だ、核武装だ、の駄本やマンガを相手にしないで。
 著者はいう、「軍事について正しい知識を持てば、戦争賛美などできなくなる、と思う」と。(MT)

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