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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2331号/07.08.13

プロブレムQ&A
お世継ぎ問題読本
[どこへ行く?女性天皇論争]

佐藤 文明 著  緑風出版(定価1800円)

書籍画像  小泉政権のもとでまとめられ05年11月24日に公表された「皇室典範に関する有識者会議報告書」は、「皇位継承資格は、女子や女系の皇族に拡大することが適当」と結論づけているが、9月6日の紀子さんの男子出産後の9月30日、安倍内閣は、「内閣がかわったので拘束されない」と表明、「男系男子」にこだわる姿勢を示した。
  論議は「男系か女系か」ですすめられているようにみえるが、問題は天皇制の存在そのものである。「女性天皇論争」の内容を整理し、日本の歴史を掘り下げるとともに世界に視野を広げ、天皇と戦争の関係にも章をおこしたのが本書。当然、憲法問題にも言及する。
  天皇制存在のデメリットとして、①人権の危機②差別社会の延命(部落、外国人、年齢、男女、婚外子差別をかかえる)③アジアとの関係(固有文化の破壊)④世界との関係を示す。
  さらに、問われているのは、いま人権を追求するのか、天皇制を守りとおすのかのこのこ点に凝縮されているともいい切る。この国の未来を決めるのは主権者であるあなたと、結論は一人ひとりに委ねている。筆者の佐藤文明さんの戸籍に関する連載も本紙の次号から始まる。「戸籍法改正」の内容、動向、部落解放運動の提起がどう生かされたのか、何を肩すかしされたのか、これからの課題などを予定。(E)

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