立ち上がりつながるマイノリティ女性
反差別国際運動日本委員会・発行 解放出版社(2200円)
運動もまた、有機的に地球を駆ける。悲しいかな市場原理のスピードにはるかに遅い。
95年、北京女性会議でマイノリティ女性は地を揺り動かすような言葉で尊厳の侵犯を問うた。そこに動かされた女性たち。9.11以降、潮は何かにひっぼられていくように引いていった。市場のグローバル化とアメリカの一国覇権で21世紀はおおわれている。
静かに、ふつふつと、やむことなく、解放へと歩む営みはつづいてきた。本著も、その歩みのひとつだ。
北京をへて、日本のマイノリティ女性は99年に複合差別ネットワークを立ち上げた。自分たちの課題はホスト社会の不作為によって国際社会のなかで沈黙されていると気づき、みずから調査に立ちあがる。その足跡の断片があらわされた。
マイノリティ女性問題は日本の政策を根源的に問う。GDPやGNPを踊らせながら、日本の政策倫理はなにを構築させてこなかったか。
00年、日本軍「慰安婦」は教科書から消えた。いま、沖縄は11万人がたった。運動の有機性の鎖になりたい。 (汝)
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