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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2311号/07.03.19
 「従軍慰安婦」問題で日本に公式な謝罪を求める決議案が米議会で出ている。下院の日系三世の議員が「過去の過ちを認めるのに遅すぎることはない」と提案した
▼下院では強制連行された「慰安婦」による証言もおこなわれ、アジア各国からも大勢の人が傍聴した。共和党などの議員からは、決議案はいまの日本が米国の同盟国として人道主義を推進し、世界的にも重要な民主主義の旗手であることを無視するに等しい、などとして決議案批判もでた
▼ところが安倍首相は、93年の河野談話ですでにお詫びを表明してきた、「官憲が家に押し入って、人さらいのごとく連れて行くという強制性はなかった。決議案は事実誤認がある」と居直りの姿勢を示している
▼これには反対派の米議員も決議案に賛成に回らざるをえない、と語っている。安倍発言は逆効果だったわけだ
▼過酷な体験のために「慰安婦」としての自身の記憶さえ奪われた人が存在するほど、ひどいことを国家が政策としておこなってきたことを、なぜ強制はなかったなどと居直り続けることができるのか。まさに、人間としての想像力に欠けるということの典型を示すのが安倍首相だ
▼自民党の「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」すら河野談話の見直しを首相に求めないとした。内閣のイメージダウンを防ぐためだ
▼ここまで「配慮」されながら、能なき鷹は爪を出し続けているのが現状だ。

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