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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2314号/07.04.09
 ひどい決定が出た。沖縄戦での集団自決は日本軍に強いられたものではない、強制性を否定せよと来年度の高校教科書での「訂正」がいい渡されたのだ。これは教科書検定によるもの。日本軍「慰安婦」問題で安倍首相が日本がすすめたという「証拠がない」と強弁していることと同じ構造
▼今回の検定も軍の命令はなかったという訴訟が背景にあることは明確だ。高校生に正しい歴史を教えることを拒否し、文科官僚の保身のための「訂正」指導とはもっぱらの見方
▼しかもイラク戦争では「米英軍のイラク侵攻」としたものを「イラク攻撃」に「訂正」させている。首相の靖国参拝では、そのことを「合憲とする判決はない」と問題を指摘した部分を、「公式参拝を合憲とする判決はない」と、「私的参拝」はあたかも合憲であるかのように書き改めさせている
▼もっとも、受験教育では日本史が重視されず、教科書が使われていないこと、近現代史まで学校の授業が行き着かないという問題もある。しかも何のための勉強や学習なのかというモチベーションの問題もある
▼今手元にあるのは『人生の教科書―よのなかのルール』(宮台真司など著・ちくま文庫)。世間ではなく、自分が主体となって世界を見る、つまり「よのなか」のことを理解しようというのが主題。教科書が教えない社会のことを教える点で魅力的だ
▼こんな教科書があればいいな、と率直に思う。

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