「ところで、どちらがコントさんで、どちらが55号さんですか」。「コント55号」が全盛の頃、森光子がみごとにぼけて見せた。これは観客の大爆笑をさそい、大受けだった
▼「嵐」が主演する映画「黄色い涙」の前評判がいい。韓国でも上映が決まっているとのことで、両国の民衆の親善を担う内容であることを期待したい。この嵐、よく見ると5人いる。どれが嵐かと聞くと、グループ名だと分かった。ほとんど森光子状態になるところだった
▼映画は永島慎二の自伝的作品が原作。芸術家をめざす青年たちの苦闘と苦悩を措いたものだ。主演の1人は、今の日本社会が無機質なら、人と人との繋がりがすべてであった1960年代を知ってもらうための映画、その時代の若者がどう生きてきたのかというモデルケースを知ってもらうための映画、と語る
▼なるほどと思う。最近の映画は、50~60年代を描いたものが多い。ヒットし、続編ができる「三丁目の夕日」もそうだ。高度経済成長のなかで日び生活がよくなることが実感でき、夢や希望が語れた時代として描かれる
▼じゃあ今は何か。明日が見えず、格差が確実に浸透している時代だ。この時代をどう変革していくのか、1人ひとりに問われている
▼嵐の映画の時代、63年は狭山事件が起きた年でもある。まだ石川さんの無罪はかちとれていない。4月23日、弁護団は引き続き新証拠を提出することを高裁に表明した。
「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)