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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2318号/07.05.14
 仏でサルコジ新大統領が選ばれた。さっそく仏各都市で祝砲が打ち鳴らされた。新大統領にかつて「社会のクズ」よばわりされた若者たちによる反乱だ。パリだけでも600人以上が拘束された
▼もっと働き、もっと稼ごう、という市場経済万能主義的スローガンが、かろうじて職を得ている若者などを中心に支持を集めた。変革ではなく、変化への期待だった。しかし、それが地獄へ続く道であることはまだ知れ渡っていない
▼「国家のアイデンティティを取り戻したい。フランス人であることを誇れるようにしたい」とは当選の弁。これまでの言動を見る限り、これは排外的ナショナリズムを煽るもの以外の何ものでもないことは明白だ
▼でもこの主張、誰かと似ていないか。改憲への道を地ならしするあの人、そうだ安倍さんだ。集団的自衛権行使のあり方を研究する懇談会を作り、18日に初会合をおこなう。こんなもの最初から八百長。同じ意見を持った人間だけを集めているからだ
▼NHKテレビの「焼け跡から生まれた憲法草案」は、敗戦直後に7人の日本人が草案をリベラリズム、自由民権運動の地下水脈からの吸い上げなどをもとに作り上げた姿を描く。GHQはこれを評価し採用。憲法規定など足りない部分を付け足し、戦後憲法を作り上げた。けして押しつけ憲法ではなかったのだ
▼排外的ナショナリズムではない、共感の時代へ舵を取るのは私たちだ。

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