サブプライムローンの破綻が金融界を揺るがしている。米国で年収300～400万円の所得者向けの住宅ローンがこれ。ハリケーンの影響や不況のなかでローン返済が滞る人たちが続出し、破綻した
▼グローバル化した金融界でこのローンは他のものと組み合わせて証券化され、売買された。格付け会社は優良な証券とするからますます売れる
▼このローン、貸す方の代理人は、最後は建てた家を担保にすればいい、と言葉巧みに貸し付ける。貸すほどマージンが入るからだ。貸し手はリスク分散のためにすぐに証券化し現金を入手する。結局、格付け会社を信用した世界の金融機関が大損をし、金融恐慌などという言葉が飛び交うようになった
▼しかし、最大の被害者はローンを借りた人たち。最初の数年間は利子は低いが、それがすぎると急上昇する。不況にもろにさらされる人たちは、ローン返済が出来なくなる。家を抵当にしようにも、同じ状態の人が多く、住宅価格は下落したまま。苦労して建てた家は競売にかけられ、全財産を失う
▼欲望と資本のイノベーション（革新）が今回の問題を引き起こした、とはある経済学者の言葉。常に欲望を刺激し、新たな商品を作り出すところに資本の生き残りがある
▼ひるがえって、私たちの運動を見るときに、資本のように人びとの要求を満たす、魅力あるものとなっているだろうか。イノベーションされるべきは私たちだ。