戦後日本は戦争をしてきた
姜 尚中 小森陽一 著 角川書店(定価686円)
「希望は戦争」。非正規、労働者が急増するなか、若年層にとって「何のために働くのか」が問題になっている。格差社会の、いまの社会構造そのものが問われているわけだが、その答えのひとつが冒頭の言葉にある究極の社会参加である。
国会では、この1月、テロ特措法を延長し、再びアフガニスタン戦争への支援作戦従事を決めた。そればかりか、増える自衛隊の海外派兵を恒久化しようと、与党・自民党と野党・民主党が連携、画策する「派兵恒久法案」の国会上程の動きが強まってきた。「平和ニッポン」を標樗する国会は、ペテンと欺瞞に満ち、翼賛化とともに「戦争する国」にまい進している。
そんななか、日本は一度として「平和国家」だったことはない、「戦後」など存在しない、という対談が本になった。朝鮮戦争からはじまりベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン・イラク戦争と、さまざまな形で戦争に加担してきた歴史はごまかしようがない事実である。
自衛隊への入隊希望者が増える今日。本当の「戦後」は朝鮮戦争の終結からはじまると訴えるこの書の一読と、「派兵恒久法案」に反対する反戟運動のうねりを今一度この社会に。(MT)
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