直近の選挙を反映した参議院で否決されたにもかかわらず、政府・与党は1月11日、新テロ特措法を衆議院で再議決した。憲法の規定にそったというが、法案そのものが憲法違反であることがそもそも問題なのだ。しかも世論は法案に反対が多数派だった
▼国際貢献をどうするのか、という根本的な問題はほとんど論議されなかった。むしろ、この間明らかになった、さまざまな問題は隠蔽されたまま。国会承認というシビリアンコントロールすら、野党が多数の参議院では承認されないからと投げ出した点にも、大きな問題がある
▼隠蔽されたのは、「無料の洋上スタンド」から給油されたものがイラクでの戦争に転用されていないかどうか。自衛隊はデータを隠した。もう一つは、前防衛省事務次官による装備をめぐる構造的な汚職問題が、この次官1人の個人的なこととして、トカゲのしっぼ切りで幕がおろされようとしていることだ
▼テロ特措法、イラクへの自衛隊派兵で、じつに35人の隊員が事故などで死去している。このなかには16人の自殺者も含まれている。「諸外国の日本を見る目が変わる」ということだけのための派兵が、これだけの犠牲者を出しているのだ
▼貧困や抑圧や差別など、人間性を奪うものが生み出すテロをなくすためにはどうすべきか、根本はそこだ
▼しかし、きょうも航空自衛隊はイラクで米のための戦争協力を続けている。
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