15/11から12/13へ。これって何のことか分かりますか。これは実は朝日新聞のこと。これまでブランケット判（解放新聞は朝日新聞の半分の大きさでタブロイド判という）で15段に組んでいたのが、12段に変わり、１段の文字数が11字から13字に変わったということ
▼ことは朝日新聞だけでない、全国紙である、読売、毎日、産経、日経も段組を変え、文字を大きくした。地方紙も右にならえの状態だ。一体、なぜ３月31日を契機に紙面が変わったのか
▼もともと商業新聞は、敗戦後は15段組だった。これは、目が上下するのにちょうどいい長さ、3.5センチとされてきた。ここに15文字も詰まっていたのだ。昔は拡大鏡を片手に新聞を読む高齢者を多く見かけた
▼ところが、いかにも文字が小さくて読みにくい。そこで登場したのが、段組は変えずに文字を大きくすることだった。朝日は11字、読売は12字という具合にだ。それでも高齢化社会のなかでは限界を迎え、今回の紙面改革に結びついたのだ
▼商業紙の危機は、紙を媒体にした情報伝達のあり方を鋭く問うている。とりわけこの紙面改革は高齢者が読者の多数を占める現状を示している。では若者はどうなのか。ネットやテレビという媒体が多数を占める。じっくりと読むことが減少している、という
▼読むことは、人や社会への理解を深めるだけではなく、思考を促す。この人類の偉大な財産を失ってはならない。