pagetop
部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2371号/08.05.26
 2011年でテレビの地上波アナログ放送は終了というコマーシャルが、総務省の肝いりで流され続けている。地デジとよばれるデジタル放送を見ることの出来るテレビジョンしか使えなくなる
▼現行のテレビに比べ地デジ用テレビは相対的に高い。しかも視聴するためには別途UHFアンテナが必要になる。場所や方向によってはまったく映らない。そんな場合は有線放送への加入が必要だが、それもまた別途お金がかかる
▼高度経済成長の時代を文化の面で支えてきたのは大衆娯楽のトップに位置したテレビだ。完全に地デジ化されると貧乏人はテレビを見るな、というに等しい状況を生む。総務省は電機メーカーに5000円以下の地デジ用チューナーの開発を要請しているが、実現は難しい
▼「テレビよおまえはただの現在にすぎない」と喝破したのはテレビディレクターの岡庭昇だった。それだけに放送対象の過去、未来、社会的背景などをきちんと総合取材し、言説を展開する必要があるのだ
▼しかし、昨今の番組、光市事件を典型に、物事の表層だけを、しかも取材の裏付けや努力もなく感情論でたれ流す傾向が強くないのか
▼メディアの「グローバリズムの展開とともに急速に批判精神を失い、ナショナリズムや市場原理主義の宣揚へとのめりこんでい」く現実を嘆く、ひろたまさきの大部の『差別からなる日本の歴史』を読みながらテレビの現在を考えた。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)