支持率20パーセントと低迷していた福田首相が上昇気流にのっている。クラスター弾の禁止条約への加盟、国家公務員制度の改革が功を奏している
▼もう一つ好印象をもたれたのが５月末に開催された第４回東京国際アフリカ開発会議での援助の増額決定。インフラ整備などに力を注ぐという。日本のODA（政府開発援助）が世界５位に落ちたことへの巻き返しでもある
▼アフリカについて世界銀行総裁は、サハラ砂漠以南ではここ川年で年平均5.5～７パーセント台の高い経済成長をとげた、アフリカ首脳が求めるのは援助だけではなく投資であり成長だ、と強調している
▼「島国の人が世界に出航するとき、「帆」は知的好奇心で、「風」は他者への思いやりだ。私はこの風が、日本に吹いているのを感じる。それはアフリカに向けて吹いている」と語るのは途上国支援にとりくんできたロックバンド「U2」のボノ。政治権力に接近しながら問題解決をめざす手法をとっている
▼トウモロコシ、小麦、大豆の価格高騰が株式投機から逃れた巨額の投機資本によってもたらされ、犠牲になっているのはアジア、アフリカの貧困層だ
▼ボノのように現実は楽天的ではない。インフラ整備は日本ゼネコンへの金のばらまきとなり、経済成長を押し上げているレアメタルの収奪に結びつき、大資本を潤すだけ、というのならそれはアフリカ民衆にとっての自立支援につながらないのは明白だ。