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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2374号/08.06.16
 「いつの日にか、私たちはホワイトハウスに女性(大統領)を送りこむことだろう」。悔しさをにじませた演説をしたのが、米大統領選での民主党候補者指名争いに敗れたヒラリー・クリントン。女性の進出を阻む「ガラスの天井」に1800万のひびを入れた、とも語った
▼バラク・オバマは「あなた方は変化を望んだ。その結果、今晩、私は民主党のアメリカ大統領候補になるのです」と演説した。米大統領ではじめての女性か黒人かという両候補への3600万をこえる予備選での投票数は記録的なものだった
▼オバマのキャッチフレーズはチェンジ(変化)。これが若者をとらえた。しかし予備選と本選挙とには大きな違いがある。政策をめぐる論議は二の次。民主、共和という、最初から色わけされた人びとでなく、中間層や無関心層をどう組織し、集票できるのかが大きな課題となるのだ
▼ニューヨーク在住のジャーナリストは「民主党員の間でも、白人低所得層や低学歴層の中に、女性より黒人への偏見と差別がずっと根強く残っていることが(予備選で)はっきりした」と分析している
▼イラク、アフガニスタン戦争での米軍の要員確保が破綻し、軍役期間の強制延長などが横行し、映画にもなり大きな社会問題となっている。格差社会を利用した徴兵の現状もある
▼戦争をやめ、社会矛盾の解決をめざすことがオバマの今後の道だが、幻想はやはり禁物だろうか。

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