神戸市内を流れる川の水位が、わずか10分で1.3メートルも上昇。水遊びをしていた子どもたちなど５人が濁流に呑み込まれ死亡する、という痛ましい事件があった
▼この川、両側はコンクリート護岸による遊歩道がもうけられ、川のせせらぎのなかで遊べるようにしてあった。しかし、上流は傾斜が急で幅が狭く、他の川や水路が、この川に合流する。だから上流で雨が降ると、短時間で下流に増水が流れ込む
▼もともと、火災時に川の水を消火に使えるようにし、川と住民がふれあえるようにと整備されたが、増水を知らせるサイレンなどは設置されなかった。「想定外の増水」という
▼「背水の陣内閣」が成立した。ライバルを党の幹事長に取り込み、派閥人事を軸に大臣職を配分する、という旧来の手法が取り入れられた。目玉は補正予算や減税も視野に入れた景気対策。それでも内閣支持率は24％にとどまる。政局運営をどうはかるのか、福田首相にとっては正念場
▼財源のぶんどり合戦をおこない、各分野に金をばらまく景気対策。これで成果を誇示し、総選挙を有利にしようというのが、当面のもくろみ
▼しかし、上流にある新自由主義政策が国民生活を押し流していることを知ることが、まず何よりも重要なのではないか。原因を知り、その政策を転換することが本当の支持を得る道なのだ
▼これが実現できないのなら、選挙で政権を交代するしかないのだ。