pagetop
部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2383号/08.08.18
 松本サリン事件で被害にあい、第一通報者の河野義行さんのお連れ合い、澄子さんが亡くなった。事件いらい意識不明のままだった。「彼女が生きていてくれることが家族の支え、大きな柱だった。それをなくしてつらい」と義行さんは語る
▼この事件で、河野さんは犯人視報道をおこなわれ、えん罪事件の被告になる寸前にまで追い込まれた。それを防いだのは河野さんの強い意志をもった闘いと周りの支えだった。「この14年間、彼女にエネルギーをもらい、私は生かされてきた」という河野さんの悲しみは深い
▼えん罪事件は権力による犯罪。ひとたび犯人として捕まえると、徹底して孤立させ、証拠をでっち上げ、みずからを犯人であると思い込ませ、自白を迫り、犯人に仕立て上げる。それと抗しきった河野さんは、人格的にも高潔だった
▼河野さんの生き方をみた氷見えん罪事件の柳原さんは、みずから名前、顔を出し、えん罪を許さない闘いを開始した
▼河野さんは、事件を起こしたとして逮捕されているオウム真理教の松本智津夫・元代表への死刑に反対している。それでは何事も解決しないからだ
▼死刑制度をめぐり、殺人は悪としながら国家による戦争や死刑という殺人は認められるのかなど、さまざまな論議が存在する。雑誌『部落解放』『世界』『現代思想』がつぎつぎとこの特集をとりあげる。これらを読み、論議を重ねたいものだ。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)