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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2391号/08.10.20

 いわゆる「ロス事件」でサイパンで逮捕された三浦和義さんが、米のロスへ移送直後に留置場で自殺し、死亡したとのニュースに驚いた。不屈に戦い続けるという三浦さんの実像とあまりにもかけ離れた事態だからだ
▼それにしてもマスメディアは、日本では無実が確定しているのに米司法が共謀罪なるもので逮捕することの不当性、一事不再理の原則が語られなさすぎる
▼しかも、今回の自殺を契機に、これで真相は間に葬られた、と三浦さんが犯人とばかりの報道合戦。反省という概念すらもたないマスメディアの姿勢には怒りをこえてあきれかえってしまう。米司法の不当性と自殺の真相究明こそがメディアの課題だろう
▼この米国でまだまだ揺れ続けるのが金融資本の危機。今回の危機は、生活のなかでの生産や消費、実体経済と結びついている点で深刻、と分析する経済学者もいる
▼「金融工学」にもとづくリスク計算と複数の債権や証券の組み合わせ、レバレッジとよばれる極度の信用供与。これらが金が金を生む錬金術としての金融資本を成り立たせてきた
▼しかしこれらが賃金の切り下げ、非正規雇用の増大、失業・貧困の増大、低賃金による労働時間の長期化、社会保障やセイフティネットの破壊と表裏の関係にあるのは明白
▼ここでも金融資本破綻の真相究明とそれを元から断つための方策、民衆の利益にかなった経済体制の構築が問われているのだ。


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