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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2437号/09.09.28

生物多様性と食・農

天笠 啓祐 著  緑風出版(定価1900円)

書籍画像 2010年10月、「生物多様性条約締約国会議・カルタヘナ議定書締約国会議」が名古屋でひらかれる。会議の焦点は、GM(遺伝子阻み換え)作物による事故や汚染にたいする責任と修復への国際的な規則と手続を明確にすることだ。08年のボン会議では、日本政府が米国や多国籍企業の代弁をおこなった。
 オバマ政権は「グリーン・ニューディール」を提唱しているが、その核となるバイオ燃料は食糧危機と直結し、第2世代の非食糧材料も効率をあげるためにGM技術が使われている。いまでは、バイオ燃料が環境破壊の主役になりつつあることも指摘され始めているのだ。
 それでは環境をこれ以上悪化させないためにはどうすればいいのか。天笠は、中央管理型でも巨大集中型でもなく、分散型。単一ではなく多様性を大切に。専門家によらず民衆的に。化石燃料多消費型でなく、再生可能で持続可能なものに。地域で生産して地域で消費するものに。自然を支配するのでなく、共生するものに、という方向を示している。
 人権・平和・環境を基軸にした社会をめざす部落解放運動にとり、人権のまちづくりにとって、政権交代がおこなわれたいま、多くの事例をもとにした視座を与える。 (E)

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