「天井のない監獄」とよばれるのがイスラエルの支配のもとに置かれた、パレスチナ自治区のガザ。欧米諸国はイスラエルレジスタンスをテロとの戦いだとして、ガザにも経済封鎖をイスラエルとともにかけてきた
▼「死がガザを覆いつくしている。嘆きと悲しみが、09年という新年のあいさつなのだ。血と大量の死体の臭いがする。毎分のように悪い知らせが新たに届く……どこへ行けばいいのか、どこに隠れればいいのか、誰にも分からない」という状態が、いまもガザで続いている
▼「ハマスの攻撃への反撃」を口実にイスラエルがガザへの空爆を開始したのが昨年12月27日。地上戦も開始させ、戦車などでガザ市を包囲し、ビルの屋上からも空爆とともに銃撃をくり返している。子どもをはじめ500人以上の住民が殺され、2500人以上の人びとが負傷しているのが現状だ
▼実はイスラエルのこの作戦、ハマスとの停戦中に周到に計画されたもので、偽情報を流し、ハマスをだましたうえで実行されたものであることが、イスラエルの新聞で暴露された
▼国際世論は国連などへ働きかけているが世界でもっとも人口密度が高いガザへの軍事侵攻はまだやまない。避難する人びと、負傷者を運ぶ救急車などへの攻撃がくり返されている
▼絶望を希望に変える努力、多くの人びとと結びつく努力、状況を切りひらく努力が、今年も私たちに問われている。