商業新聞の元旦号の広告でおもしろいものがあった。ある出版社の1面分を使った全面広告がそれ。なんと各新聞社ごとに写真が変わっているのだ
▼A紙では東京大学大学院の教授が本を読んでいる写真。M紙ではその教授が立っている写真。N紙では女性二人が立っている写真。Y紙とS紙では表紙を並べたマンガというように
▼なるほど、これは各紙の読者層を意識してのものか、と考えることができた。A紙やM紙は相対的にインテリ層が想定され、S紙やY紙ではマンガを読む層が、N紙では経済問題理解のために女性が読むという最近の傾向を読み込んだうえで、この広告が打たれている
▼さまざまな層ごとに効果的な広告を掲載する、というのがクライアントの要望だが、新聞やテレビなどのマスメディアでは、それは難しい。だから、こんな大雑把な層把握になる
▼みんなが同じものをほしがる時代は終わり、個人消費の時代がはじまった、と説いたのが辻井喬。作家にして実業家だった。いまや一人ひとりの趣味や志向が違い、生活パターンが異なる、選別的需要しか残っていない、と主張する
▼こんな時代こそ共同体の再評価が必要という。だが、既存の政党や職場、労組は魅力と信用をなくしてしまった、とも
▼私たちの運動は差別のない新たな共同体をめざすものでもある。では、いかにどう信頼を回復し、それをなすのか。今年1年は重要な年になる。
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