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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2423号/09.06.15
 梅雨には紫陽花(あじさい)、と教えられた。はじめは名前と実像が一致しなかった。しかし紫陽花を知り、すばらしさがわかった。爾来、毎年この季節が来ると見に行く。今年は宇治の三室戸寺。1万株の紫陽花も、まだ満開にはほど遠かった
▼ここで運良く出会ったのが高石ともやのライブ。連れ合いの癌発病後、西国33か寺回りをつづけ4年目。寺を走破し、33か寺の歌を入れたライブコンサートをひらいている。最後にはなつかしのフォークソングも
▼「あのすばらしい愛をもう一度」は別れの歌ではなく、友人の結婚式のために北山修が作った曲。恋する2人の感覚が一時的にずれても、また何年か後には元に戻る、というメッセージが込められていると高石。この歌の意味がはじめて理解できた
▼高石が強調したのが、歌を消費するのはやめようということ。歌は会場でライブ感覚で盛りあがるという、一時の欲望を満たすためのものではない、ということ。フォーク全盛時代に高石はアメリカへ、北山は勉学で舞台から降りた。労働や生活のなかからの歌を2人は追求した
▼消費だけが目的とされ、それを追求するために金融を中心としたバクチと同じカジノ資本主義をくり返してきた愚行。そのつけが、いま、世界同時不況として眼前にある
▼不況の克服とは、景気の回復だけにあるのではない。愚行をくり返す社会ではない、つぎの新たな生き方ができる社会を模索するという営みでもある。

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