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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2429号/09.07.27
 テレビドラマ「官僚たちの夏」が熱い。城山三郎の同名小説をドラマ化したもので、敗戦直後の日本を舞台に、国内産業育成、貿易・技術立国をめざす通産官僚の「国や国民を思う気持ち」を描く
▼自動車は欧米からの輸入ではなく、国内メーカー育成策が。テレビ生産でも同様の処置と、そのためのメーカー限定と切られたメーカーへの国策によるフォローも。アメリカの自由貿易を求める圧力とそれに抗する官僚と政治家の抗争もテーマになる
▼保守政治家による米の安全保障ゆえの経済面での対米追随か抵抗かが、ドラマの基調であることは間違いない。しかし、この時期になぜこのドラマなのか
▼外務省の元官僚が核をめぐる秘密協定の存在を証言しはじめた。もちろん、この存在は昔から指摘されてきたことだ。なぜ、いま、官僚たちがこの協定が存在し、燃やせと指示されたことなどを証言しだしたのか
▼北の核基地への先制攻撃論などを背景に、核アレルギーを緩和するための発言であることは間違いない
▼本来、官僚は政府―政治家が政策を決めるときのアドバイスや、決まった政策を具体的に推進する役目をはたすものだ。ところが、ドラマでも明らかなようにみずからが政治家に根回しをし、政策決定し、推進するものとなっているところに問題がある
▼官僚が本来の姿に戻るかどうか。総選挙での結果しだいとなる。官僚たちの暑い夏は、もうはじまっている。

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