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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2431号/09.08.10
 梅雨が明けたとたん、きつい日差しに変わった。立ち並ぶ木木からは蝉の声が聞こえ、耳を直撃する。あの日も、こんな感じだったのか、とふと思う。あの日とは、「大日本帝国」の敗戦を多くの人びとが知った8月15日
▼14日から15日までを28人が語り合った座談会を『日本のいちばん長い日』としてまとめたのが、当時、文嚢春秋社にいた「歴史探偵」こと半藤一利。語りおろしになる『昭和史戦前編・戦後編』は6年越しの大ベストセラーだ
▼もっともこの本が売れるのは、天皇ヒロヒトの戦争責任を免責している、ということがある。戦争へいたる軍部や政府への批判を展開しながらも、安心して読める本だからという面があることもたしか
▼その半藤が古巣の『文彗春秋』誌増刊号で語るのが東京大空襲の体験。「初めて歴史と正面から向き合ったのがその時」という
▼筆者14歳の1945年3月10日。東京は、はじめて夜間無差別大空襲を受けた。低空飛行でB29が東京湾から侵入し、下町を中心に「帝都」を焼き尽くした。あまりの火の明るさに爆撃機の搭乗席でも腕時計が楽楽と読めた、という。なぜこんなことが、と考えはじめたのが半藤の原点という
▼さきの大戦はアジア太平洋の人びとに侵略戦争として多大な犠牲を強い、国内でも多くの人びとが犠牲を強要された。戦争こそ最大の人権侵害である。だからこそ、戦争ができる国家をめざす勢力を増長させてはならない。

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