90年代からのグローバル化のなかで非正規労働者が増大させられた。ワーキングプアの累積がもたらされた。彼/彼女らの賃金の低下が、即生存の危機に直面させられるのが、近年の特徴。かつては助け合う大家族、労働者の仲間、支え合う地域の仲間があった。しかし、そうした「溜め」もなくなったのが現在だ
▼いっぽうで正社員にはこれまでの年功序列型の雇用形態が変えられる。成果主義が導入される。ノルマが課せられ、それが達成できたかどうかで、社内の地位や賃金など、すべてが決められる。正社員になろうとする若者にも、入社前の面接試験の段階からキャリアとして生き残ろうとするならノルマを課し、達成することの重要性が説かれる
▼そして「自発的に」ノルマ目標を発表し、その消化が最優先課題となる。とくに非正規労働者を経験した人ほど、これ以上滑り落ちたくない、という思いから、正社員になれるなら、どんなことでもします、と語ってしまう。サービス残業にはじまり、超過勤務、休日出勤は当たり前。過労死手前まで突きすすまされる。非正規労働者の劣悪な実態が正社員への鞭となる、という関係が生まれる
▼今年の広島県福山での全研では、熊沢誠・甲南大学名誉教授が格差社会の現状を語り、変革を求めた。労働規制の強化とセイフティネットの強化が私たちに求められる第1の課題だ。格差社会の撤廃こそ、差別を打ち砕く第一歩だ。
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