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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2458号/10.02.22

自由訳イマジン ジョン・レノン&オノ・ヨーコ

新井 満 著  朝日文庫(定価500円)

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 「ある宇宙飛行士が/宇宙船の窓から/地球の大地に刻まれた国境線を/さがそうとしたんだそうだ/でもね/そんなものどこにもなかったんだよ」。
  音楽家ジョン・レノンが凶弾に倒れ、昨年12月8日で30周忌を迎えた。代表作「イマジン」に、作詞作曲家でもある新井満さんが、自由訳で挑んだ。オノ・ヨーコさんは、この自由訳に太鼓判を押した。そんな評価をくだせるのには、わけがある。
  「歌詞もコンセプトもヨーコから出ている」(ジョン)からだ。
  ところで、「イマジン」がつくられたのは、1971年。ベトナム戦争の真っ最中だった。あれから39年もの歳月が流れた。多くの反戦歌は歌いつがれることなく、いまでは耳にすることもない。が、「イマジン」はちがう。多くの支持をうけている。その違いはなんだろう。
  この歌詞に、ひとびとをひきつける魅力が秘められているのだろう。ヨーコさんと新井さんが、対談で、その謎解きをしている点が目をひいた。「男性原理で作詞すると(中略)拳を突き上げるような言い回しになるんですよ。(中略)女性原理と言いますか(中略)優しく語りかける」(新井さん)。メッセージのソフトさに軍配があがったようだ。(土)


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