新・反グローバリズム―金融資本主義を超えて
金子 勝 著 岩波現代文庫(定価900円)
「失われた20年」。自民党の失政を評した言葉といってもいい。いまなお、年間に3万人もの自殺者があることだけとっても、どれだけの後遺症を残したかがわかる。
「新・反グローバリズム」は、10年前に、「グローバリズムの本質を市場原理主義と金融自由化を基軸としたグローバリゼーション(引用者注・地球規模化)ととらえ、その危険性を指摘」した経済書。今回、加筆して文庫になった。
「グローバリズム批判は必ずしも受け入れられてきたわけではない。それどころか、むしろ「失われた10年」を克服するのに、本書の警告とは正反対に、日本はグローバリズムに追随する小泉「構造改革」路線へと突き進んでいった。その結果」「深刻な格差拡大がもたらされた。だが、問題はそれだけではない。小泉「構造改革」の「金融立国」構想は挫折し、市場任せでは新しい成長分野を生み出せずに、輸出頼みの脆い経済構造を作り出した。そして世界同時不況の直撃を受けて、戦後最大の不況をもたらしてしまった」。
根本的な問題は、「アメリカが強引に覇権国であり続けようとする「無理」が、今日のグローバリゼーションをもたらしている」。「古い座標軸の呪縛」とも指摘する。(土)
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