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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2453号/10.01.18
 人間が発電の一部分にされ、機械のなかで仮想世界を生きるように仕向けられる。それをおこなっているのは、人間に反乱した人工知能だった。そのことを知ったハッカーが人間を解放するために人工知能と闘う、というのが映画『マトリックス』だった
▼コンピュータグラフィックスを多用した画像、アクションと哲学めいた筋仕立てで、大きな反響をよんだ。ユニークだったのは人間発電機だった
▼エコといえば、いまや泣く子も黙るブランド。風や太陽を活かした発電が求められ、それが市場を生み、経済活性化の切り札とされる
▼太陽熱発電などでは、「不毛」とされてきた砂漠が活用され、同時に緑化もはかれる可能性が出てきた。だが、そのためには巨大な装置と場所が必要だ。たとえば植物の光合成のエネルギーを取り出すなど、省スペースで効率のよい発電はまだまだ。それでも日本の技術力は巨大という
▼日本はすぐれた「ものづくり」をしているが、世界の多様な価値観をもつ人たちの心をつかみ、揺さぶる「ものがたり」を構想し、推進する力が欠けている、とは政策研究大学院大学教授のコメント
▼たしかにそうだ。ひるがえって部落解放運動を考えよう。さまざまなとりくみで大きな成果をおさめているが、まだまだ多くの人の心をつかみ、揺さぶることが欠けていることは事実だ
▼もっと多くの人とつながり、結ぶとき、人権の闘いは広がり前進する。

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