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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2467号/10.04.26
 「ハンガリー人の心を取り戻す時だ」とは、収入が4割以上減りながら、なんとか食いつないできているハンガリーの労働者の言葉。じつはこの言葉の裏には、人口1000万人のなかで60万人のロマの排除でみずからの居場所、ありようを得る、という心根が込められている
▼ロマの犯罪抑止を掲げ、ロマが住む村へ出かけ排斥の示威行動をくり返す。03年に組織された、この極右組織の党員はいまや1万人。昨年の欧州選挙では得票率15%で、第2党に
▼市民の根強い差別意識や反感が強いロマを標的に選び、愛国主義や民族主義を訴え続けているのが、この極右政党なのだ。現政権から取り残された貧困層などに確実に支持は広がっている
▼フランスでは移民労働者排斥を掲げてきた国民戦線の党首が交代するが、次期党首は大統領選挙の候補者にもなる可能性が高い、という
▼差別排外主義―愛国・民族主義が支持を拡大しているのは海外だけではない。日本でも「在日特権を許さない市民の会」(在特会)という排外主義を煽り、朝鮮学校への襲撃などもおこなう集団が、街頭行動も含め抜崖している
▼グラスルーツとは草の根のこと。末端、大衆という意味ももつ
▼かつてナチは、食べることのできない労働者を反ユダヤという排外主義で組織した。それと同じ現象のあらわれが今日見られるのだ。危機の時代の深部にある、草の根排外主義の拡大を許してはならない。

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