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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2477号/10.07.12
 どうも電話は苦手だ。相手の顔や表情を見ることができない。こちらの都合にお構いなしにかかる。これが携帯電話になると、もっとすさまじい。歩いているときも、電車に乗っているときも、集会中も、ますます相手の置かれている状況に関係なく呼び出し音が鳴り響く
▼ひどいのは、顔をつきあわせて話しているのに、携帯が鳴ると、そちらを優先する人たち。目の前の人間とどっちが大切なのか、といいたくなる
▼これに比べて楽なのがメール。相手を気遣うことなく、いつでも、自分の都合のいいときに打ち、読むことができる。端末の機器をもっていると、それこそ、いつでも、どこでも相手とコミュニケーションを取ることができる。ネットの一環がメールだ
▼ネットの進歩でそれに割く時間が多くなり、人間関係が希薄になるといわれていたが、そうではなく、普及とともに実生活でのつながりを深める手段として機能しだした、という米国での調査結果が出ている
▼ただネットの恐ろしいところは、情報を得ようとするとピンポイントでおこなうこと。自分の意に介するものしか出てこない。紙の辞書なら、周辺にさまざまな予期しない情報があるが、それがないのだ
▼だから、同好の者での論議はすすんでも、異質な意見や反対の論議は、最初から目に入らない。縦断性や横断性こそネットの得意技であるにもかかわらずだ。ネット社会が成熟するにはまだ時間が必要だ。

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