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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2482号/10.08.16
 この20年間で10倍以上になったのが100歳以上の高齢者人口。じつに4万人をこえる。だが、この社会の豊かさの象徴といえるのか。東京で111歳とされた男性のミイラ化した死体が発見されたことなどから、100歳以上の高齢者の所在確認調査が始まった
▼すすむにつれ不明高齢者の数は増え75人に。調査は、個人情報保護法をたてにした情報不開示や民生委員の不足もからまり限界が指摘される
▼不明高齢者の存在自体が、この社会の問題をあぶり出している。たとえば、死亡を隠しながら親の年金をもらい続ける、すべてに希望を失い失踪、孤独死、行路病死など、社会をとりまく貧困の深刻さ、行政による現状把握なきでたらめな政策、想像力をなくし相互扶助の精神を失った人びとの現状などだ
▼管首相が広島の被爆65周年式典で追悼と核兵器廃絶を訴えた。被爆者からは、じっくりと話を聞き、あらためて核廃絶を語った。問題はその直後。場所が変わると「核抑止力は必要」と語り出した
▼核についてダブルスタンダードしかないこと、その場その場で使い分けることを示したもの。被爆者への想像力にも欠ける
▼この社会の大きな課題は、人びとをむすぶ、つなぐということ。不明高齢者の問題も一緒
▼部落の仲間をつなぎ、むすぶ。外の仲間ともむすぴ、つなぐという媒介を、『解放新聞』は果たしたいと思う。差別を撤廃し、自由で平等な社会をつくるためにも。

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