マンガはなぜ規制されるのか
長岡 義幸 著 平凡社新書(定価780円)
東京都と漫画家・出版界が対立して話題になった、漫画・アニメの販売を規制する都青少年健全育成条例の「改正」。昨年12月15日、都議会で「慎重に運用すること」との付帯決議つきで可決されたが、すんなり決着がついてない。東日本大震災の影響で中止になったものの、都が主催する東京国際アニメフェア(3月)は、主要な出版社がボイコットする異例の事態だった。MSN産経ニュースの世論調査(1月11日までに回答)では80%が条例に反対し、「表現活動の制限になる」と理由をあげている。
この問題を真正面からとりあげたのが、『マンガはなぜ規制されるのかー「有害」をめぐる半世紀の攻防』。著者の長岡さんは、ていねいに追いかけて、多くの問題点を浮き彫りにした。答申をまとめた都青少年問題協議会のありかた、作者や出版社からの異議申し立ての不備など、「表現の自由」にかかわる面から看過することのできない問題がある。
目がくぎづけになったか所がある。児童ポルノ禁止法の制定をすすめている日本ユニセフ協会がひらいた集会で、講師のFBI駐日代表が「児童ポルノの捜査のためには共謀罪が必要」と発言していたのだ。権力の狙いがクッキリだ。 (土)
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