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部落問題資料室
コラム
今週の1冊 第2526号/11.07.11

梁塵秘抄(りょうじんひしょう)

後白河法皇 編纂 川村 湊 訳  光文社古典新訳文庫(定価781円)

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 今様とはH世紀末の平安末期から200年ほど歌われた歌謡。当世風で華やかで派手な感じをあらわす語で、より新しい魅力的な歌曲と曲節をもつ歌謡を意味した、と「日本の古典」(小学館版)では解説されている。「その伝播者の中心は、水上交通の要路に集まった遊女(あそぴめ)、陸路の要衝を本拠とし移動もした塊儲女(くぐつめ)、社に仕え地方歩きの者もいた巫女(みこ)の三者にあった」ともいう。ほんとうは、当時芸能者とされた博徒も含まれるのだが。被差別民が歌い、舞い、踊り、広めた歌謡が今様だったのだ。
  それはともかく、飢饉、疫病、地震、大風、大火などが吹き荒れた政治経済の転換期で、社会の不安と動揺町時期に、被差別民が歌う今様を集めたのが『梁塵秘抄』なのだ。「好きものの」後白河法皇が編纂した。
  信仰と愉楽の歌も多い。両者は、この時代に、絶対的な対極にあるからこそむすぴついたとするのが、訳者の川村湊の解釈。だから、春歌はそれとしてわかりやすく砕いて現代語訳し、法文歌は中世の人びとの心情、「この世を厭い、迄かなる遠い世界への憧れ」をくみ取り訳す。
  こんな古典の教科書があったら、もっと授業は楽しくなるはずだ、と思うのは老いたからか。 (A)


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