いま、「共和制日本」を考える
堀内 哲 編 池田浩士・杉村昌昭・平井玄 著 第三書館(定価1500円)
なぜ、憲法が「朕」から始まっているのか。敗戦から66年。この国は、この国の形である「立憲君主制」をまともに問い返すこともなく、今日までやってきた。この国には共和主義は適さないのか、時期尚早なのか。この書は、「9条を1条に」「9条と14条は第1章と両立しない」「天皇を例外なく対等関係を結ぶのが共和制」と自由な論議を展開する。
「東日本大震災で、自衛隊と米軍は、9条改憲を待たず、災害救助を口実に臨戦態勢を構築した。〝9条守れ″では、反戦運動のロジックとして限界がある」と編者の堀内はいう。国は、一段と戦争国家化を強め、天皇の被災地「巡幸」で国民統合の装置としての天皇制を強化した。
だが、未曾有の大震災と原発事故は、無策、無責任を露呈する国(政府)、東電、マスコミらに「民」は怒り、事能を一変させた。「脱原発」の行動がうねりとなり、従来の大企業中心の政治・経済・社会を、まさに「国のあり方」を根本から変革しようとする気運が高まってきた。
脱原発-震災後の社会を大胆に構想し「共和国制日本」を提起する本書。ヒロシマ、ナガサキ、8.15敗戦と続くこの「暑い夏」に一読を。そして、フクシマの子どもたちに思いを馳せ、この国の変革へ。(MT)
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