「日本社会が独特の脆弱性を露呈した」。震災後の社会-市場と国家への依存から共同体自治へ、というインタビュー記事のなかで宮台真司はこういいきる。それは、安全/危機イメージ・自治・合理的コミュニケーション・マスメディアの脆弱さ、そしてシステムへの依存体質だと営台はいう
▼そもそも日本は3.11の前から沈んでいたのだ。高齢者の所在不明、乳幼児虐待の放置、自殺や無縁死の続出。これらは市場と国家への依存で共同体が空洞化した結果だ、と宮台は指摘する
▼東日本大震災からの復興では、何がキーワードになるのか。それは食とエネルギーの自治。スローフードと自然エネルギーだ。風、海底の激流、太陽光などあらゆるものがエネルギー源になる。スローフードも含め、ヨーロッパでは両者の実践により地域社会の空洞化を埋めてきているのだ
▼あらゆる人びとが既成のもの、虚偽のもの、利権にとらわれず、知恵を絞ること、絞りきること、ここが大切なポイントだ。国家にそれを求めるのではなく、自治・民衆的にこそ、それは貫徹されなければならない
▼揚げ足を取ることが好きな人が、この世には多い。だが、そこから何か新しいものが生み出されるのかどうか。そのことが政局がらみだと、なお始末が悪い
▼マスメディアの脆弱さがあらわれていないか。メディアをつうじてこそできる知恵の絞り万があるのに、それをしないのは怠慢というものだ。
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