スマートフォンが大流行だ。賢い器械というのが意で、電話機のかたちをしたパソコン。スマートフォンに機種交換したが、かえって料金が増えた、というのが実情か。通話料以外のもので稼ごうというのが通信業界。ネットにつなぐ、さまざまなソフトを購入することなどで増収を図ることが戦略だ
▼アイフォンがパイオニアの位置を占めるが、最近はアンドロイドという基本ソフトを持つ機種が台頭してきた。この２機種のシェア争いが激化してきている。こうしたなかで投入されたのが「アイフォン4S」。あらたな基本ソフトを搭載したものだが、名前は「アイフォン５」としなかった
▼この機器を製造・販売するのが米アップル社。最高責任者だったスティーブ・ジョブズが新製品発表とほぼ同時に亡くなった。膵臓がんだった。「4S」というネーミングは、フォー（4）ジョブズ（S）、つまりジョブズのためにという意味でつけられた
▼とことんデザインにこだわり、新しい概念に満ちあふれた製品を作り続けた。道具としての利便性の強化だった
▼映画「ターミネーター」は人間の運命は変えられないというメッセージを残し、観客に衝撃を与えた
▼この映画、コンピュータに人間が支配され、暴圧を受けるもの。現実にはあり得ないが、利便性をうたい文句に、コンピュータを使ったデータの世界に人間の生そのものが管理・支配される時代は来ていないか。