どさくさにまざれて、という言葉がある。混乱、混雑、取り込んでいる、落ち着きを失っている状態をどさくさというが、それにまざれて何かをすることが、どさくさにまざれて、となる。火事場泥棒などはその典型だ
▼「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」とは、シカゴ学派とよばれる学閥首領のミルトン・フリードマンの言葉。天災や政治的危機、政変などのなかでこそ新自由主義政策が貫徹できる、というのがその意味なのだ
▼チリのクーデターと独裁、スマトラ沖大地震、ハリケーン・カトリーナ、リーマンショックなどのさいに市場改革という名で新自由主義政策が注入されている。銀行への公的資金の注入などはその典型で、注入しても金は貸し出しに回らず、銀行の持主などを太らせるだけというのが現実
▼カナダのジャーナリスト、ナオミ・クラインは、これらを「惨事活用型資本主義」とよぶ。スマトラ沖大地震では海岸地帯は危険と住民を追い出し、巨大資本によるリゾート化がはかられた
▼海に漁にでる、土地を耕し作物を実らせることで自然を守ってきたのは、漁民であり農民だ
▼だが復興という名のもとに漁業への大資本参入を意図し、TPP参加で自然とともに営み、景観も含めて環境を守ってきた農業をつぶすことが意図されていないか。あるいは増税、年金切り下げなどが強行されないか
▼昨今の状況は、まさに惨事活用型資本主義ではないのか。
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