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部落問題資料室
コラム
荊冠旗 第2562号/12.03.26
 男性の50%以上が賛成、女性の70%以上が反対。これは原子力発電所の再稼働をめぐるある世論調査の結果だ。危機への感覚は女性の方が研ぎすまされている。げんに、いま、福島で危機が進行中なのに男性はなぜこんなにも鈍感なのか
▼原発の再稼働にはストレス(耐性)テストが課せられた。これをクリアしたという福井県の原発2基の再稼働を認めるのかどうかが大きな政治的課題になってきた。問題は政府や原子力の安全規制機関が電力会社のいうがままになってきたことだ
▼積み上げれば2~3メートルになる、というのは狭山事件の未開示証拠について担当検事が語ったこと。電力会社が作成する検査書類は積み上げれば10メートルにもなる。安全規制機関の委員がみるだけでも大仕事のうえ、具体的に書かれていないと問題か所がわからない仕組みになっている
▼福島原発の廃炉についても最終の核燃料をすべて取り除く作業まで25年もかかる。しかも使用済みを加えた核燃料は1300トン。その処理先もない。経費は数兆円。コスト面でも莫大だ
▼作家の野坂昭如といえば焼け跡派。戦中、戦後の混乱期を描いた「火垂るの墓」で直木賞をとった。最近の主張は、「この震災で、日本がどう変われるかが問われている……そして、時に後退する勇気をもつこと」
▼成長神話に生きるのではなく、生活や人権を大切にする社会のビジョンをこそ政治は示すべきなのだ。

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